大阪 歯内療法医のブログ

大阪で勤務医として歯内療法歯科医をやっています。日々の診療と何気ない日常について

舌がん(扁平上皮がん)について 知ってもらいたい

みなさん、こんにちは

大阪歯科医師Dr.Osaです

 

先日、タレントの堀ちえみさん(52)がブログで

「私、堀ちえみは口腔癌(左舌扁平上皮癌)と診断されました。いわゆる舌癌です」

と公表されました。

堀ちえみさんといえば「さよならの物語」や「リ・ボ・ン」などの名曲があり

バラエティーなどでも広く活躍されている方です。

私自身、幼いころ両親が車でよくCDをかけていたのを思い出し

衝撃を受けました。

堀ちえみさんの手術が成功し、いち早く健康で過ごせるよう心より祈っております。

 

さて、

今日は世間を騒がせている舌がん(口腔扁平上皮癌)について

どんなものなのか書きたいと思います。

 

まず、がんは医学用語で腫瘍(しゅよう)といいます。

そして腫瘍には良性腫瘍悪性腫瘍の二つがあります。

良性腫瘍は発育が非常にゆっくりで体の他の部分に転移したり再発する可能性が少ない

つまり、生命をおびやかす危険性の少ない腫瘍をいいます。

一方悪性腫瘍とは発育が早く、体の他の部分に転移したり再発する可能性が高い

つまり生命をおびやかす危険性の高い腫瘍をいいます。

 

そして、口腔扁平上皮癌は悪性腫瘍に分類されます。

また、口腔扁平上皮癌のうち、舌にできたものを舌がんといいます。

 

舌癌は特に男性にできやすく、40-60歳に多いですが

20歳代でもかかる可能性はあります。

奥歯の舌のフチにできることが多いです。

そして原因として飲酒、喫煙など化学的な刺激

歯並びが悪く歯が頻繁に舌にあたる、合わない入れ歯などによる機械的な刺激など

持続的な刺激を受けているとなりやすいと言われていますが

実はすべての癌のうち口腔がんの割合は1-3%と非常に少ないです。

故に歯医者さんでは口内炎として見落とされがちな病気になりますが

当然、歯科医師である我々は早期に気づかなければいけません。

私は怪しいなと思ったらすぐに大きな病院の口腔外科に紹介をしますが

今まで上顎洞がんと歯肉がんの患者さんにかかわったことがあります。

 

舌癌の症状としては

見た目は主に舌のフチに小さい口内炎や豆のようなものができたり、白斑や紅斑が混じったような症状が出ます。最初は痛みや出血を伴わないこともあります。

進行すると硬結を伴う膨らみができ、口臭が強くなったり、出血しやすくなったり接触が起き、舌の機能障害が生じます。

さらに進行すると首に転移することが多いとされています。

早期発見の場合、治療の成功率は85%-95%と非常に高いですが

首に転移をしてしまうと治療の成功率は60%-75%

さらに首に転移したものが大きくなると40%-50%と言われています。

 

口内炎との見分け方として初期の硬結(しこり)や腫瘍を形成する点にありますが

上記のような症状だけで舌がんと判断するのは素人目ではなかなか大変だと思います。

例えば、歯周病でも口臭が臭くなったり、出血しやすくなりますし、それに伴ってただの口内炎ができている可能性だってあります。

やはり普段からお口の健康を管理してくれているかかりつけの歯科医院による定期検診が大切だと改めて思います。

 

 

おかしいな?って思ったら

ためらわず、近くの歯医者さんかかかりつけ歯科医院の診察を受けてみてください。

早期発見、早期治療が何より大事です。

 

以上、Dr.Osaでした。